最高レベルのサステナビリティ認証および水と生物多様性戦略の基礎。
2024年、私たちは初めてサステナビリティレポートを発行しました。
この重要なマイルストーンにより、企業の社会的責任（CSR）に関するビジョン、取り組み、実績を共有することができました。2025年はサステナビリティに特化したふたつの重要なプロジェクトを敢行しました。
ロレックスは2029年までに、ビュルに新しい施設を開業します。フリブール州の新しい人材を活用することで開発にさらに力を入れ、ロレックスが誇る高い品質をこれからも維持していくことができるのです。このプロジェクトは、BREEAM（建築研究機構による環境評価手法）により設定されたフレームワークの中で最高レベルの認証カテゴリー取得を目指しています。
BREEAMは建物の環境への影響を評価する世界基準を設定しており、89カ国以上で60万件以上の認証実績があります。建物の認証レべルは「合格（Pass）」から、ビュルの新施設が目指す「非常に素晴らしい（Outstanding）」までの5段階で評価されます。
私たちはこの名誉ある認証の取得に自発的に取り組んでおり、自社で5番目の施設が、スイスにおけるこの規模の工業施設として初めて認証を獲得することを目指しています。
BREEAMの「非常に素晴らしい」認証を得るために、プロジェクトの計画と実行の両面で模範的な取り組みを行っています。これらの技術的かつ組織的な取り組みには、特にエネルギー、水、原料の最適な運用が必要とされます。
「BREEAMの『非常に素晴らしい』認証を得るために、プロジェクトの計画と実行の両面で模範的な取り組みを行っています」
この新施設は、ロレックスがすべての従業員の健康と福祉を事業運営の最優先事項としていることを体現しています。
・耐久性が高く、美しい素材に囲まれているだけでなく、従業員たちは今後、広々とした屋外の眺望や豊かな自然光も楽しむことができます。
・使用されているすべての素材および製品は、揮発性有機化合物（VOC）、ホルムアルデヒド（室内の空気に影響）、その他の有害物質などに対する最も厳しい要件を満たしています。
・さらに、従来の建物に比べてエネルギー要件が大幅に削減されつつも、ビュルの新施設の従業員たちは最適な温熱と音響条件を備えた環境を享受できるのです。
Key dates:
・2023年：ビュルの新施設でBREEAMの「非常に素晴らしい」認証を目指すプロジェクトの立ち上げおよびロレックス経営陣の決議。
・2024年：建築許可の取得。
・2025年：施工開始。
・2029年：ビュル施設の稼働。
「この新施設は、ロレックスがすべての従業員の健康と福祉を事業運営の最優先事項としていることを体現しています」
2024年より、ジュネーブのロレックス3施設はBREEAMの「稼働中」認証を受けています。この認証は、すでに稼働している建築物を対象とし、職場環境、福祉、水資源管理、緑地の管理など、9分野・170項目にわたる基準に基づいて与えられます。ビエンヌの施設は、2025年にBREEAMの「稼働中」認証を受けました。この認証は、建物の一般的な使用に伴う影響を抑えるために継続的な取り組みを行っていることの表れです。
水資源管理と生物多様性の保護は、私たちのサステナビリティ戦略の中でも最優先事項として位置づけられています。野心的で明確なこの戦略は、水資源リスクの増大と生物多様性と天然資源の劣化というより広範で世界的な取り組みの一環です。
一貫した行動計画を策定するため、私たちは、自社の事業活動だけでなく、サプライチェーン全体でも水資源や生物多様性に与える影響とリスクをマッピングし始めました。
その後、SBTN（科学的根拠に基づく目標ネットワーク）のフレームワークが推奨するステップに従い、バリューチェーン全体が自然界へ及ぼす影響の理解に努めました。特に、供給鉱山の運営拠点付近に生息する種の「豊かさ」と生態系の「変化」の指標に焦点を当てています。「豊かさ」は特定の種が生態系内に生息する密度を示すものであり、「変化」とは、土地利用の変化（農業、都市化など）により生態系が変化または消失したことを指します。
この初期マッピングにより、根拠ある一貫した行動計画の基礎を確立することができ、将来的に悪影響を低減し自然を守るための取り組みを開始することができます。
当社の事業活動が自然界に及ぼす影響の理解を深めるために、ISO14046規格の原則に従い、初めてウォーターフットプリントを確立しました。これにより、水の消費と汚染の点で事業活動およびサプライチェーン全体が与える影響を特定することが可能になりました。
「今年度のさまざまな取り組みにより、私たちは水の管理と生物多様性の保護戦略を構築するための強固な基盤を築くことができました」
このような調査結果で、地域の水資源の持続可能な管理と保護への影響を低減し、積極的に貢献するための目標を達成することが可能になります。同様に、製造および供給地域の水質と水の確保に対するリスクを分析し、特に飲料水の人権を確保することに重点を置いています。
今年度のさまざまな取り組みにより、私たちは水の管理と生物多様性の保護戦略を構築するための強固な基盤を築くことができました。