ビッグ・スリー
ゴルフの巨匠たち
1950年代後半から、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラウス、ゲーリー・プレイヤーは共にゴルフに革命を起こす旅に乗り出した。ビッグ・スリーの愛称で呼ばれた彼らは、世界中のコースに君臨した。スリリングなプレーと純然たるカリスマ性で、彼らはゴルフに対する情熱を大勢の人々に伝え、テレビの台頭とともにゴルフを世界的な反響を誇る競技へと変革した。
人生においては揺るぎない友であり、コース上では圧倒的なライバルであった3人は、20年近くにわたって紳士同士の激しい戦いを繰り広げた。彼らの手に負えないものは何もなかった。数字がそれを物語っている。彼らは合わせて34のメジャータイトルを獲得したのだ。


アーノルド・パーマーは、1960年に『タイム』誌の表紙を飾った初のゴルファーであり、このスポーツを新たなレベルへと引き上げた。メジャー7勝を誇るこの類まれなカリスマ的アメリカ人選手の才能が脚光を浴びたのは、テレビ放送が世界に革命をもたらしていた1950年代終わりのことだった。「ザ・キング」の愛称で呼ばれたこの男は、ゴルフの普及に極めて重要な役割を果たした。
1960年代と1970年代のゴルフは、他ならぬ1人のゴルファーによって形作られ、彼は史上最大の成功者であり続けている。ジャック・ニクラウス。史上最多18のメジャータイトルを獲得し、「ゴールデンベア」の愛称を持つこのアメリカ人は、ゴルフ界に永遠の名を刻んだ。
伝説の3人組にはさらに、ゲーリー・プレイヤーが加わる。1961年、南アフリカ出身の彼は、アメリカ人以外で初めてマスターズ・トーナメントを制した。いつもダークカラーのウェアを身に着けていた「ブラック・ナイト」は、全大陸でプレーした初のプロゴルファーの1人でもあった。彼は60年にわたる輝かしいキャリアで通算160勝以上を挙げた。

タイガー・ウッズ
生きるレジェンド
2019年、タイガー・ウッズは43歳にしてオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで5度目のマスターズ優勝、メジャー通算15勝の記録を達成し、スポーツ史上最も素晴らしいカムバックを果たした。これは傑出したキャリアの頂点であった。彼の栄誉のリストには、彼とサム・スニードだけが達成した偉業であるPGAツアーでの82勝、プロ通算109勝、他のどのゴルファーよりも長期間(683週間)にわたる世界ランキング1位などがある。このアメリカ人チャンピオンはまた、2000年から2001年にかけて4つのメジャー大会を連続制覇し、グランドスラムを達成した。このゴルフ史上唯一の偉業は「タイガー・スラム」と名付けられた。その勝利と功績に加えて、ウッズはこのスポーツに他に類を見ないほどの影響を与えてきた。彼はゴルフに新しい時代をもたらしたのだ。
詳細を見るアニカ・ソレンスタム
絶大な影響力
アニカ・ソレンスタムは、30年にわたり女子ゴルフ界の中心人物であり、このスポーツにおける女性の価値を認識させる上で決定的な役割を果たしてきた。多くの人々が彼女を史上最高の女子ゴルファーと評する。スウェーデン人の彼女が初めてゴルフコースに立ったのは12歳のときだった。ランキングを駆け上がり、プロ転向前にアマチュアの世界チャンピオンに輝いた。その後、ヨーロッパ出身ゴルファーとしては初めて、LPGAツアーで15年間に渡りLPGAツアーを席巻した。ソレンスタムはメジャー最多優勝記録(10勝)を保持しているだけでなく、女子ゴルフの5大大会すべてで優勝した唯一の選手でもある。2014年、彼女に敬意を表してロレックス・アニカ・メジャー・アワードが創設された。この賞は、LPGAツアーのシーズンを通じ、メジャー5大会で通算して最も多くのポイントを獲得したゴルファーに授与される。
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ジョン・ラーム
高まる偉大さ
2016年にプロに転向して以来、ジョン・ラームはますます強くなっている。2019年、彼はDPワールドツアー選手権の最終ホールで勝利を収め、DPワールドツアーランキングのチャンピオンに輝いた。このスペイン人は、翌年のメモリアル・トーナメントで優勝し、世界ランキング1位を獲得した。2021年にはトーリー・パインズで開催された全米オープンで優勝し、初のメジャータイトルを手にした。2022年のスペインオープンを制し、自身の憧れであるセベ・バレステロスが27年前に達成して以来となる、この大会で3度の優勝を果たした。彼はDPワールドツアー選手権で3勝という記録を収め、ロレックス シリーズで5度優勝を飾った初めての選手となり、シーズンを終えた。2023年、彼はマスターズ・トーナメントで2度目のメジャー優勝を果たし、栄誉あるグリーンジャケットを獲得した。
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