Rolex and Exploration cover

Defying the limits

Chapter two

時計がなければ、探検家が挑戦を完遂することはできません。

時間を管理する唯一の機器である時計は、彼らが旅を達成するための重要な要素であり、生き残るためのカギを握っています。 過酷な状況下で持久力の限界をテストする人にとって、まさに不可欠なツールです。その耐久性、精度と視認性については特に視覚的な基準点がなく、昼と夜の明確な区別のない完全に孤独な状況下では、誤りがあってはなりません。時計は着用者と同様に、最も過酷な環境に耐えることができなければならないのです。

ロレックスが同行したのは、無支援、単独の南極大陸横断を含む「三極点」到達を成し遂げた探検家のアーリング・カッゲ、酸素補給なしで8,000 mを超える世界中の14の山頂を制覇した登山家、エド・ビエスチャーズ、北極海を無支援で横断した初の人物である冒険家のルネ・イエルネス、犬の助けなしで北極に到達した最初の女性で、医師のクリスティン・ジャナンは、すべての大陸で最高峰を制覇しました。限界に挑む中で、彼らは人間の耐性の境界を押し拡げ、新たな領域を開きました。

Conquering the Three Poles

アーリング・カッゲ

極限的な挑戦に精通している、ノルウェー出身のアーリング・カッゲは 北極点、南極点、エベレストの頂上という「三極点」に到達した初の人物になるという3つの偉業を果たしました。それは彼が驚くべき内面の強さを引き出して成し遂げた、並外れた功績です。

ソリを引く犬はおらず、物資を空中投下する飛行機もなく、荷物を運べるのは身体だけ。さらに朝の気温は–54°C。「そんなことは不可能です。でも、誰かがそれをできるなら、私たちにもできます」。これは、アーリング・カッゲが同行者で情熱的な冒険家であるボルゲ・オウスラントとの旅について記したものです。1990年3月、この2人の男たちは、世界で初めて外部からの支援を受けることなく、スキーで北極点に到達しました。彼らが心にひとつ目標として刻み込んでいたのは勇気、強い信念と決意をもって、自身の力でそこにたどり着くことでした。

2年後、アーリング・カッゲは一人で挑み、1992年から1993年にかけて、無支援・単独で世界で初めて南極点に到達しました。 それは、誰とも話すこともなく50日以上、1,300 km以上にも及ぶ旅でした。外界との接触は一切断たれ、その一歩一歩が寒さ、空腹、疲労との戦いでした。この偉業により、彼は1993年にタイム誌の表紙を飾りました。

その翌年に、彼は3回目の冒険に乗り出し、再び無支援でエベレストの山頂に到達しました。この最高の偉業により、彼はいわゆる「三極点」(北極点、南極点、エベレスト山頂)に到達した、あるいは「スリー・ポール・チャレンジ」に成功した最初の人物として歴史に名を残すことになりました。

この偉業を成し遂げるために、カッゲは常に自分の限界を打ち破ってきました。自分を超える能力は、常に変わらない楽観主義、持続的な努力への欲求、絶え間ない夢への追求、そして個人的な障壁が妨げにならないようにする能力に基づいている、と彼は信じています。 

彼が成し遂げたことを考えると、このタフな冒険家は環境や条件に左右されることなく、人間が自らの行動を極め、自身の内面を深く掘り下げる能力を示すことを尊重する人物だと言えるのかもしれません。彼の遠征における、すべての勝利は安定性と忍耐力により勝ち取られました。また、カッゲは、スリー・ポール・チャレンジに成功した勝者というだけではありません。彼は何よりもまず、幸福を提唱し、「幸福になるには挑戦と困難が必要である」と語る哲学者でもありました。

Erling Kagge in the South Pole

Time Management on the Mountain

エド・ビエスチャーズ

エド・ビエスチャーズは標高8,000 m級のあらゆる山々で無酸素登頂を成し遂げました。 彼の時計は、不可欠な時間管理基準であるとともに、彼の登頂を助けました。 

ロレックス テスティモニーで経験豊富な登山家のエド・ビエスチャーズは、集中力と決意を支えに、酸素補給なしで8,000 m(26,000 フィート)を超える世界中の14の山頂を制覇するという偉業を成し遂げました。ビエスチャーズにとって、安全と成功に直接影響を及ぼす彼の時計は、装備の重要な要素となっています。

「登山するとき、時間管理は私の成功、そして最終的には私の生存、特に山頂登頂の日に最も重要な要素となります」と彼は説明します。「時刻は30分毎にカウントします。山頂にアタックしてから、いつ最高地のキャンプに戻らなくてはならないかを把握することが重要で、そこから下山の開始が必要となるタイミングを含め、1日全体のタイミングを計算します。比較的寒くて安全な日中の登山では早めのスタートが重要で、これにより遅れや予期せぬ事態に対処するための時間を稼ぐことができます。また下山は、挑戦を支える2つ目の要素です。頂上に到達したかどうかに関わらず、遅くとも午後2時までには引き返すことをルールにしています。最も重要なのが、日中の十分な明るさとエネルギーを支えに安全に下山する時間を確保することです。一部の登山家たちは、引き返すのが遅すぎて、それにより生命を脅かす状況に陥っています。寒さ、暗闇、疲労と酸素不足は深刻な問題に繋がる可能性があるのです。」

登山のたびに、ビエスチャーズは1994年に受け取ったホワイトダイアルのエクスプローラー Ⅱを着用しています。「いつも私の支えとなってくれる自動巻のこの時計は、登山に必要なあらゆる機能を備えています。頑丈で、暗闇でもダイアルに対して読み取りやすい針を備えています。また登山の際、岩や氷にぶつかる可能性があるため、耐久性のあるクリスタルにも助けられています。これは、おそらく私が持っている最も重要な機器と言っても過言ではありません。登山中、私は真剣に時計と向き合っています。時間を伝える私の時計は、私の安全のカギを握っています。」 

The Perception of Time at the Poles

ルネ・イェルネス

ルネ・イエルネスは、その名にいくつもの「初」というタイトルがつく冒険家です。極地では、彼の時計が最後の最後までスケジュールを管理しています。

広大な白い極地の風景の中で、太陽が沈まないとき、時間の概念は相対的なものになります。そのため時計は探検家が日々を構成し、規則正しく調整されたペースで進み続けるために不可欠な要素となります。 さまざまな冒険をしてきたルネ・イエルネスは、グリーンランドや北極海、そしてロレックスがスポンサーとなった「The Longest March」の遠征で南極大陸を無補給でスキーで横断した最初の人物となりました。極地遠征中、彼が極めて重要なルーティーンをこなすことができたのは、エクスプローラー Ⅱがあったからです。

「探検の時間はすべてであり、また無でもあります。最初の月は日数を数えますが、その後は何日であるかではなく、目標に集中します。とはいえ、時間とその時間を厳守することによって、1日全体をどのように構成するかが決まります。時間通りに起床し、時間通りに荷造りして、50分のスキーと10分の休憩という最も効果的なトレッキングのルーティーンをこなします。そして、一日の終わりには足を止め、キャンプを設営し、食事をする時間を知る必要があります。十分な休息をとるために、すべてをできるだけ早く行います。北極点への単独遠征の最後の14日間、私は時間管理と旅を進めるために費やした時間を計算することに注意を向けました。これが、私を成功へと導いてくれました。管理したルーティーンを守ることは、確かな安心につながるのです。」

一方で、時間を守るためには、信頼できる優れた時計が欠かせない、と彼は話ます。「過酷な環境では、毎分毎分が大きな意味を持ちます。つまり、精確な時計が不可欠なのです。エクスプローラー Ⅱのように日付表示があれば、さらに役立ちます。遠征では日付の概念を失いがちですが、たとえば、今日が23日ではなく、20日なのを把握できるのは大変心強いです。」 

Rune Gjeldnes in the North Pole

Physical and Mental Limits in Extreme Environments

クリスティン・ジャナン

人体は正しくトレーニングされていれば、最悪の気象条件にも適応することができます。医師で探検家のクリスティン・ジャナンは、世界で最も住みにくい地域で生き残るために必要な肉体的および精神的属性を定義しています。 

「標高8,000 m、–40°C、さらには–50°Cの環境では、私たちは身体能力の約10%しか発揮することができません」と2001年から2006年までロレックス テスティモニーで登山家、極地探検家で医師のクリスティン・ジャナンは話します。また、絶え間ない危険は肉体的、心理的ストレスを複合的に生じさせます。「そのため、高地での登山や極地探検では、人は完璧な体型を維持し、楽観的かつ勇敢で、決意を持っている必要があります」。地球の地理的な極限に到達することができた人々は、物理的な耐久性と並外れた精神的回復力という点で、際立ったグループに属しています。

「登山や遠征を成功させるためのカギは出発時に完璧な体型でいることです。そのためには十分な経験を積み、直面する状況に体を適応させるため、徹底的にトレーニングをこなし、数年前から準備を始める必要があります」。

危険は至るところにあります。極寒、強烈な風、さらに近隣地域の救助隊の不足は、山と極地のいずれでも危険に直結します。登山時に空気中の酸素が不足すると急性高山病になり、人の心の状態に影響を与える可能性があります。時には、彼らはどんな犠牲を払ってでも頂上に到達することに危険なほど固執するようになります。自身を安全に保つ唯一の手段は、規律を守り、徹底的に集中することです。「生き続けるということは最終的には自らの自信に帰着します。自分の能力と限界、自分の体調を知った上での状況の明確なリスク分析により、いつでも冒険はあきらめることができます」と、ジャナンは付け加えます。 

それぞれの動きを計算し、時間を注意深く監視する必要があるこれらの環境では、探検家は常に精神的および肉体的なバランスを維持できるよう努めることになります。この並外れた努力は極めるというひとつの目的を達成するためのものです。「頂上は、1メートルごと、一息ごとに征服されていきます。その過程で、私たちは頂上に立つことを可能にする、自分が備えていたことに気付かなかった資質を見出します。そして、危険に立ち向かい、環境がもたらす課題を克服する方法を知っていることに大きな喜びを感じるのです。」 

Christine Janin exploration

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